受験生のみなさんに警告です。
夜更かしをして勉強すれば受験の合格が近づくと思っていませんか?
これは受験生を専門に診療している心療内科医として、明確に間違いであると断言します。
確かに、夜更かしをして勉強すると、集中力が上がったような感覚になることは事実です。
これは、特に思春期の年代で男性ホルモンや女性ホルモンが急激に上昇することで、夜に活動することに脳が快感を感じ、勉強がさほど苦に感じず、集中力が上がったかのような感覚を持つからです。
しかし、夜型の勉強だけで入試合格できるかというと、そうではありません。
かつて学習カウンセリング研究会で朝型と夜型のヒアリング調査を行い、合格率との相関を分析する研究が行われました。
その結果、夜更かしをせず朝型の生活をしている人の方が、合格率が高いという明確な結果が得られています。
その理由の一つとして、意欲の持続が挙げられます。
一晩だけの夜型勉強で一時的に勉強量が増えるかもしれませんが、長期的には持続性が欠け、受験勉強を放り投げるリスクが高まります。
また、スマホ依存症やゲーム依存症の患者さんは、夜型の人が多いというデータがあります。
夜型で勉強すると、スマホやゲームへの依存リスクも高まります。
さらに、夜型の受験生は自己評価が高く、集中していると誤解しやすい傾向があります。
逆に、朝型の受験生は自己評価が厳しく、集中力を高める努力を続けることができます。
もちろん、すべての人が朝型になれるわけではありません。
実際には、脳の性質や体質により夜型になりやすい人もいます。
これは「睡眠相後退症候群」と呼ばれるものです。
ただし、適切な対策や環境調整で改善することが可能です。
もし、夜型が治らないと感じる場合は、私のクリニックのホームページをご訪問いただき、「睡眠相後退症候群」のページをご覧ください。